エヴァートンvsマンチェスター・ユナイテッド プレミアリーグ 第13節

2023-2024
写真:Getty Images

 プレミアリーグ第13節が11月26日(現地時間)に行われ、エヴァートンとマンチェスター・ユナイテッドとが対戦した。

 エヴァートンは財務規定違反の影響で勝ち点10剥奪の処分が科されており、現在の勝ち点はわずか「4」のみ。最下位に沈むバーンリーと勝ち点で並んでいる。一方のマンチェスター・ユナイテッドは今季序盤から波に乗り切れておらず、前節終了時点での成績は7勝5敗。エヴァートンとのアウェイゲームで今季初の3連勝を狙う。

 エヴァートンはアシュリー・ヤング、アブドゥライェ・ドゥクレ、ドミニク・カルヴァート・ルーウィンらがスターティングメンバーに並んだ。一方、マンチェスター・ユナイテッドはキャプテンのブルーノ・フェルナンデスを筆頭に、ハリー・マグワイアやマーカス・ラッシュフォードが先発に名を連ねた。左サイドバックに入るルーク・ショーは第2節トッテナム戦以来の復帰。18歳のコビー・メイヌーは今季初出場を果たした。

スターティングメンバー

エヴァートン(4 – 4 – 1 – 1)

・GK
ジョーダン・ピックフォード

・DF
ビタリー・マイコレンコ
ジャラッド・ブランスウェイト
ターコウスキー
アシュリー・ヤング(73分:ネイサン・パターソン)

・MF
ドワイト・マクニール(73分:アルノー・ダンジュマ)
イドリッサ・ゲイェ
ジェームズ・ガーナー
ジャック・ハリソン
アブドゥライェ・ドゥクレ(90分:ルイス・ドビン)

・FW
ドミニク・キャルバート=ルーウィン(82分:ユセフ・シェルミティ)

・監督
ショーン・ダイチ

マンチェスター・ユナイテッド(4 – 2 – 3 – 1)

・GK
アンドレ・オナナ

・DF
ルーク・ショー(76分:アーロン・ワン=ビサカ)
ヴィクトル・リンデレフ
ハリー・マグワイア
ディオゴ・ダロト

・MF
コビー・メイヌー(72分:ソフィアン・アムラバト)
スコット・マクトミネイ
ブルーノ・フェルナンデス

・FW
アレハンドロ・ガルナチョ(72分:ファクンド・ペリストリ)
アントニー・マルシャル(84分:ハンニバル・メイブリ)
マーカス・ラッシュフォード

・監督
エリック・テン・ハフ

試合結果

 試合の均衡は序盤の3分に破れる。最終ラインでボールを持ったヴィクトル・リンデロフが右サイドめがけてロングフィードを蹴り込むと、大外でボールを受けたラッシュフォードが内側を駆け上がってきたディオゴ・ダロトへ、ダロトが右足でクロスボールを送ると、ファーサイドで待っていたアレハンドロ・ガルナチョが後方に下がりながらジャンプし、オーバーヘッドシュートを放つ。ジャストミートした一撃はゴール右へ。圧巻のスーパーゴールが炸裂し、開始早々に度肝を抜くスーパーゴールがグディソン・パークに大きな衝撃を与える。マンチェスター・ユナイテッドが先手を取った。

 両クラブのレジェンドであるウェイン・ルーニーの伝説ゴールを彷彿とさせるガルナチョの今季リーグ初ゴールで先制に成功したユナイテッドは、以降もスムーズにボールを動かしながら相手を揺さぶって追加点を狙う。

 一方、守勢のエバートンも右サイドを起点に幾度か鋭いカウンターを仕掛けると、10分にはボックス右で深い切り返しを見せたキャルバート=ルーウィンが最初の枠内シュートを記録。その後もキャルバート=ルーウィンを中心に幾度となくゴールを脅かす場面を作ったが、GKアンドレ・オナナが守るゴールをこじ開けることはできない。前半はこのままマンチェスター・ユナイテッドの1点リードで終了した。

 迎えた後半、集中した入りを見せたユナイテッドは前半同様に早い時間帯にゴールを奪う。52分、ボックス付近で縦に仕掛けたマルシャルがDFヤングと交錯。当初はマルシャルのシミュレーションと判断されたが、オンフィールド・レビューの結果、ユナイテッドにPKが与えられる。ここでブルーノ・フェルナンデスからキッカーを譲られたラッシュフォードがイングランド代表の同僚GKとの駆け引きを制し、強烈なシュートを左上隅に突き刺した。

  この直後にはゲイエの右足アウトにかけた見事なフィニッシュでゴールを脅かされるも、GKオナナの圧巻のセーブで事なきを得たユナイテッド。以降は前がかるホームチームの攻撃を撥ね返しながら、快足アタッカー陣のスピードを活かしたロングカウンターでさらなるゴールを目指していく。

  72分には殊勲のガルナチョとメイヌーを下げてペリストリ、アムラバトを同時投入すると、この交代策が3点目に繋がる。75分、中盤でのB・フェルナンデスのボール奪取からカウンターに持ち込むと、マルシャル、ペリストリ、B・フェルナンデスと細かく繋ぎ、最後はスルーパスに抜け出したマルシャルがチップキックでGKとの一対一を制し、ガルナチョに続く今季リーグ戦初ゴールとした。

 これで勝利を決定的なモノとしたアウェイチームは、負傷明けのショーを下げてワン=ビサカ、マルシャルに代えてハンニバルと続けて交代カードを切っていき、CLガラタサライ戦に向けた戦い方にシフトした。 その後、ホームで一矢報いたいエバートンに幾度か決定機を作られたものの、要所を締める守備で凌ぎ切ったユナイテッドは3試合連続クリーンシート達成で今季初のリーグ3連勝を達成。一方のエヴァートンは内容的には悲観するようなものではなかったものの、プレミアリーグで4試合ぶりの黒星を喫した。

 なお、データサイト”OPTA”によると、19歳148日にしてエヴァートンの本拠地『グディソン・パーク』でゴールを決めたガルナチョは、2005年8月に元イングランド代表FWウェイン・ルーニー氏が19歳293日で決めた記録を更新し、マンチェスター・ユナイテッド史上最年少で同スタジアムで得点を挙げた選手になった。

エヴァートンスコアマンチェスター・ユナイテッド
0 – 135分
アレハンドロ・ガルナチョ
0 – 256分
マーカス・ラッシュフォード
0 – 375分
アントニー・マルシャル

試合後コメント

エリック・テン・ハフ監督

 ”The Guardian”によると、ルーニーやロナウドとの比較には「まだ比べるのは正しくないだろう。ガルナチョがその道を進むには、ハードワークを続ける必要がある。ルーニーやロナウドのような選手になりたければ、プレミアリーグで20、25ゴールは決めないとね。簡単ではないよ。彼にはポテンシャルがあるが、まだこれからだ」

 イギリスメディア”スカイスポーツ”でガルナチョのゴールについて聞かれた際は、「シーズンはまだ長いけど、おそらくゴール・オブ・ザ・シーズンだろう。フィニッシュだけではなく、ビルドアップもとても良かった。もちろん、フィニッシュは素晴らしかったけどね」

アレハンドロ・ガルナチョ

イギリスメディア”スカイスポーツ”で「正直に言うと、信じられないね。ただやっただけで、自分がどうゴールを決めたかは見ていなかった。ただ周りを聞いて、『なんということだ』と言った。もちろん、僕にとってはこれまで決めたゴールの中で最高の一つだった。とても嬉しいよ」

 また、このゴールは2011年2月に行われたマンチェスター・シティとのマンチェスター・ダービーでルーニーが決めたオーバーヘッド弾に似ていることについては「ルーニーのゴールにとても似ていると思うが、どちらが優れているかはわからない。どちらも素晴らしいゴールだと思うよ」「とても重要な勝利だったし、トップ6に入るためにはこの勝利が必要だった。3点奪って、クリーンシートで必要だった勝利をしたことはとても重要だ。次はチャンピオンズリーグのガラタサライ戦に備えて、勝たなければならない。その後、週末にはトップ4入りを果たすためにまた勝利が必要になる」

ブルーノ・フェルナンデス

 イギリスメディア”BBC”「見事だよ。素晴らしいもので、これを説明する言葉が見つからない。この世のものとは思えない。特別な子どもから生まれた特別なものだ。彼にはもっと期待している。僕たちは彼の能力を認識しているし、フットボールで何ができるかを知っている」と絶賛。

 ”スカイスポーツ”「彼には大きな期待を抱いている。素晴らしい未来があり、多くのことを期待している。僕は常に後ろにいて、もっと多くを求めていくつもりだが、明らかに素晴らしいゴールだったね」「このようなゴールは観衆を黙らせるもので、エヴァートンのファンは喜ばないだろうけど、このようなことができる選手を見ることができて楽しめたと思う。彼が味方にいることをとても嬉しく思っているよ」

ギャリー・ネビル

 ”スカイスポーツ”「誰よりも落ち着いて見える18歳がいる。メイヌーはマンチェスター・ユナイテッドの最高の選手だった。輝かしいプレミアデビューだった」

ロイ・キーン

 ”スカイスポーツ”「信じられない。今日のコビー・メイヌーは、ボールを持っても落ち着いていたように見えた。いつロングボールを出すのか、いつショートパスを出すのかという意思決定、オフ・ザ・ボールの面でも落ち着いていた。何というオールラウンドなパフォーマンスだ」

ハイライト

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