バルセロナvsレアル・マドリード ラ・リーガ 第11節

2023-2024
写真:ロイター

 ラ・リーガ第11節が11月28日(現地時間)に行われ、バルセロナとレアル・マドリードが対戦した。

 また、バルセロナの本拠地カンプ・ノウの全面改修工事を行うにあったって、2023-2024シーズンのホームスタジアムはエスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニスになっており、注目の一戦はこのスタジアムで行われた。

 伝統の一戦“エル・クラシコ”。いまだ今シーズン無敗を維持する3位のバルセロナは、負傷により離脱していたロベルト・レヴァンドフスキがベンチ入り。一方、前日にジローナが勝利したため、暫定2位となったレアル・マドリードは、ヴィニシウス・ジュニオールやジュード・ベリンガムらをスタメン起用。両者の勝ち点差が、わずか「1」という状況のなか、注目の対決となる。

スターティングメンバー

バルセロナ(4 – 2 – 3 – 1)

・GK
マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン

・DF
アレハンドロ・バルデ
イニゴ・マルティネス
アンドレアス・クリステンセン
フェデリコ・アラウホ

・MF
ガビ
イルカイ・ギュンドアン
フェルミン・ロペス(72分:オリオール・ロメウ)

・FW
ジョアン・フェリックス(77分:ハフィーニャ)
フェラン・トーレス(61分:ロベルト・レヴァンドフスキ)
ジョアン・カンセロ(77分:ラミン・ヤマル)

・監督
シャビ・エルナンデス

レアル・マドリード(4 – 4 – 2)

・GK
ケパ・アリサバラガ

・DF
フェルラン・メンディ(52分:エドゥアルド・カマヴィンガ)
ダヴィド・アラバ
アントニオ・リュディガー
ダニエル・カルバハル

・MF
トニ・クロース(63分:ルカ・モドリッチ)
オーレリアン・チュアメニ
フェデリコ・バルベルデ
ジュード・ベリンガム

・FW
ロドリゴ(63分:ホセル)
ヴィニシウス・ジュニオール(90+6分:ルーカス・バスケス)

・監督
カルロ・アンチェロッティ

試合結果

 試合は、開始早々にバルセロナがスコアを動かす。低い位置からビルドアップを行いボールを前進させ、ピッチ中央でギュンドアンがフェラン・トーレスとのワンツーを狙う。レアル・マドリードのチュアメニがカットしたボールは、自陣ゴール前にこぼれ、ダヴィド・アラバがスライディングでクリアに向かったものの、前線に駆け上がってきたギュンドアンが冷静にネットを揺らし、バルセロナが先制に成功し0 – 1。ギュンドアンにとってはバルセロナ加入後、初得点となった。

 勢いに乗るバルセロナは、16分に前線から激しいプレスを仕掛けると、ペナルティエリア左角でガビがトニ・クロースからボールを奪取。セカンドボールを拾ったフェルミン・ロペスが、ボックス内から左足でニアサイドに狙いすましたシュートを放ったものの、惜しくも左のポストに直撃。

 対して、大きなチャンスを作れない時間が続いたのはレアル・マドリード。個で局面を打開できるヴィニシウスが、アラウホの徹底マークに苦労し、強度の高いバルセロナの守備網をなかなか突破することができない。

 後半もバルセロナがビッグチャンスを作り出す。右サイドでコーナーキックを獲得し、キッカーを務めたギュンドアンが送り込んだボールがクリアされて大外へと流れる。これを拾ったフェルミンがゴール前に柔らかいクロスを供給すると、イニゴ・マルティネスのヘディングがポストに直撃。跳ね返りをアラウホが詰めるが、レアル・マドリードのケパによって防がれた。

 そんな中、スタジアムの空気を変えたのはレアル・マドリードの“5番”だった。68分にセットプレーの流れでレアル・マドリードがバルセロナを押し込むと、ヴィニシウスが中に送ったクロスはクリアされてしまう。しかし、ボールを回収したベリンガムが前を向き、ゴールから距離のある位置で右足を振り抜く。強烈なシュートは、テア・シュテーゲンの右手を弾き、ゴールマウスに吸い込まれ1 – 1。

 このまま痛み分けかと思われた後半アディショナルタイム、劇的なドラマが待っていた。レアル・マドリードがポゼッションでバルセロナを左右に揺さぶり、右サイドでボールを受けたダニエル・カルバハルは、浅い位置からのクロスを選択。ボールは手前にポジションを取っていたルカ・モドリッチに当たって、イレギュラーな形でバルセロナのゴール前に。2列目から飛び込んでいたベリンガムがダイレクトで押し込み、劇的な逆転弾。

結局、試合は2 – 1で終了。公式戦255回目の“エル・クラシコ”は、レアル・マドリードの劇的な逆転勝利となった。

バルセロナスコアレアル・マドリード
6分
イルカイ・ギュンドアン
0 – 1
1 – 168分
ジュード・ベリンガム
1 – 290+2分
ジュード・ベリンガム

 次節、バルセロナは11月4日にアウェイでレアル・ソシエダと対戦。レアル・マドリードは11月5日にホームでラージョと対戦する。

試合後コメント

シャビ・エルナンデス監督

 「キックオフからの60分間は私たちが試合を支配していた。だがフットボールはこういうものなんだ。レアル・マドリードと対戦していて、2-0にできなければこういったことが起こってしまうんだよ。マドリードは2回半~3回のチャンスで2ゴールを決めてしまえるチームだ」

  「私たちはプレーの効果性を欠いてしまった。試合の内容自体は、プラン通りうまくいっていたと思う。私たちは勝利にふさわしかった。最後には苦んだものの、試合を物にすべきチームがどっちだったかと問われれば、それはバルサだったはずだ。引き分けでも私たちには物足りない結果だった」

 「ポジティブに考えて、私たちはもっと良い結果に値したと言える。だがレアル・マドリード相手に少しでも容赦してしまえば、こういったことが起こってしまう。終盤の内容は不運だった」

  「ファンにメッセージにあるとすれば、ラ・リーガはまだ第11節で、道は長いということだ。レアル・マドリードに敗れてうれしいはずがないし、心が痛むが、それでも歩き続けていくよ」

カルロ・アンチェロッティ監督

 「私たちは後半、プレーに臨む姿勢を変えることができた。それこそが勝利の鍵だ。前半のチームは脆く、遅く、アグレッシブではなかった。だが後半は真逆となったね。前半は忘れるべき内容だった」

 「モドリッチがチームに落ち着きを、ベリンガムが決定力を与えた? モドリッチは試合の流れを変えてくれた。彼がいることで私たちはゲームをコントロールできるようになり、プレッシングを仕掛けるバルサの後退させている。そしてジュードのプレーは、まさしく効果的だ。1点目はゴラッソで、2点目はインテリジェンスが光ったね」

 ハーフタイムには、「『負けるとしても前半とは違う形で負けようじゃないか。エネルギー、モチベーション、意欲を持ってプレーしろ』ということだね。選手たちは理解してくれたし、後半にそのまんまのパフォーマンスを目にすることができた」

 ベリンガムの活躍については「彼の得点力は計算していたのかって? 私たち全員が驚いているよ! 今日のミドルも驚きだ。ああしたシュートはあまり打ってこなかったからね」 「彼は今季、20~25得点は余裕で決められると思う。点取り屋だとは思っていないが、しかし多くのゴールを決めてくれている。もちろん、私たちはアタッカーたちがゴールを決めることも望んでいる」

ギュンドアン

「本心を伝えたい。誤った言い方はしたくないが、ドレッシングルームにいた時、みんなは明らかに動揺していた」「でも、これほど重要な試合で、このような結果の後では、もっと不満や怒り、失望を感じてほしい」

また、「僕はこのような試合に負けたり、差を広げられるためにバルセロナに来たわけではない」「僕にはベテラン選手としての責任もある。僕たちには立ち直る力が必要なんだ」

 また、一夜明け、自身の公式SNSを更新。「昨日は不本意な結果だったので、とても不甲斐ない。僕たちは今、大きな一歩を踏み出し、そこから学ぶ必要がある」

ジュード・ベリンガム

 「良い1日だった。僕もチームもベストではなかったけど、僕たちは自分たちの信念を見せて、勝ち点3を奪った。また逆転勝利だ。僕は逆転勝利が大好きだ。それらは簡単ではないけど、面白い試合だ。僕たちはベストを尽くし、あきらめなかった。僕は幸せだ」

 ミドルシュートによる同点弾については「この数週間、外からシュートを打とうと言っていたし、相手は僕がボックス内に入ろうとしたり、味方を使おうとすることを予想していたから、ボックス外から打って彼らを驚かせたいと思っていた。僕には技術があることを知っているし、ボールはゴール隅に行ってくれた」

  「試合前に家族と話をしていたけど、騒音によって彼らの声を聞くことすら難しかった。僕は試合前にとても楽しみにしていると家族に伝えた。僕は家族とソファーでたくさんのクラシコを見てきた。今日、家族にこの試合に出て何か最高のことをしないといけないと話していた。実際にそのようにできて、僕はとても幸せだ」

ハイライト

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