レアル・マドリードvsアトレティコ・マドリード UEFAチャンピオンズリーグ ラウンド16 1stレグ

2024ー2025
写真:@realmadrid

 UEFAチャンピオンズリーグラウンド16の1stレグ、レアル・マドリードvsアトレティコ・マドリードの一戦が、日本時間3月4日に行われた。試合は、レアル・マドリードのホームサンティアゴ・ベルナベウで行われた。今季から新フォーマットで行われているCLでは、これまで準々決勝以降に限られていた同国対決がベスト16で実現。スペイン首都の両雄が早くも激突することになった。

 CLでマドリーダービーが行われるのは、2016-17シーズン以来8年ぶりのことだ。同シーズンもレアル・マドリードが勝って優勝をさらったが、2013-14シーズン、2015-16シーズンの決勝ダービーでも敗れたアトレティコ・マドリードは、とにかくCLでのレアル・マドリード戦にめっぽう弱い。リーグ戦などではアトレティコ・マドリードに土をつけられることもあるレアル・マドリードは、通算15回優勝の欧州最高峰の舞台では、圧倒的強さを誇示し続けている。

スターティングメンバー

レアル・マドリード(4-4-2)

・GK
ティボー・クルトワ

・DF
フェラン・メンディ
アントニオ・リュディガー
ラウール・アセンシオ
フェデリコ・バルベルデ(82分:ルーカス・バスケス)

・MF
ブラヒム・ディアス(89分:エンドリッキ)
オーレリアン・チュアメニ
カマヴィンガ(62分:ルカ・モドリッチ)
ロドリゴ

・FW
キリアン・エムバペ
ヴィニシウス・ジュニオール

・監督
カルロ・アンチェロッティ

アトレティコ・マドリード(4-4-2)

・GK
ヤン・オブラク

・DF
ハビ・ガラン
クレマン・ラングレ
ホセ・マリア・ヒメネス
マルコス・ジョレンテ

・MF
サムエウ・リーノ(64分:コナー・ギャラガー)
ロドリゴ・デ・パウル(75分:アンヘル・コレア)
パブロ・バリオス(75分:セルロート)
ジュリアーノ・シメオネ(64分:ナウエル・モリーナ)

・FW
フリアン・アルバレス
グリーズマン(71分:ル・ノルマン)

・監督
ディエゴ・シメオネ

試合結果

 試合は「チャンピオンのお前が見たいぞ」の横断幕とともに、ビッグイヤーと「15」の数字が現れるなど、スタンド全体を使った大規模なモザイクがつくられてキックオフ。そしてスコアは開始早々の4分に動いた。先制点を決めたのは、レアル・マドリードだ。バルベルデのスルーパスからロドリゴがガランの裏を取ることに成功。右サイドからペナルティーエリア内にカットインした背番号11は、カバーリングすべきラングレの寄せも甘いことを受けて、利き足とは逆の左足でシュートを放ち、枠内左にボールを突き刺した。

自陣で守備ブロックをつくり、堅守速攻からゴールを狙うつもりだったアトレティコ・マドリードにとっては最悪の展開だったろう。実際リードを得たレアル・マドリードは、守備にそこまでリスクを冒さず、悠々とボールを持ちながら追加点を目指していった。だが32分、あの男がアトレティコ・マドリードを窮状から救う。今季、移籍金9000万ユーロでマンチェスター・シティから加わったJ・アルバレスである。左サイドでボールを受けたアルゼンチン代表FWは、マークにつくカマヴィンガがバランスを崩した隙にペナルティーエリアの左角に侵入。そこから対角線上を狙って右足を振り抜くと、勢いあるボールがクルトワの横っ飛びも空しく枠内右に収まっている。

1-1となってからは一進一退の攻防に。アトレティコ・マドリードは遅攻でも際にも良質なプレーを見せ、デ・ポールを中心としたパス回しでレアル・マドリードゴールに迫り、ベルナベウの観客を苛立たせている。試合は同点のまま折り返しを迎え、後半も同じような展開が続いたが、55分にレアル・マドリードが再び均衡を破った。ペナルティーエリア内左に侵入したブラヒムが、対面するヒメネスとのデュエルを制して、右足のシュートでネットを揺らした。今季アトレティコ・マドリードはとにかくペナルティーエリアでの守りが軽いとされるが、この一戦でそれを完全に露呈した格好だ。

2-1となった後に両指揮官は選手交代に動く。レアル・マドリードのアンチェロッティ監督はカマヴィンガをモドリッチに代え、アトレティコ・マドリードのシメオネ監督はジュリアーノ、リーノをモリーナ、ギャラガーに代えて攻守のバランスを整えた。

それから試合を優位に進めたのはレアル・マドリード。モドリッチが司令塔となって攻撃を指揮し、アトレティコ・マドリードのゴール近くでプレーし続けた。たまらないシメオネ監督は71分にFWのグリーズマンを下げてDFのル・ノルマンを投入し、4-4-2から5-4-1にシステムを変更。守備を強化した後、今度はバリオス、デ・ポールの2ボランチを下げてコレア、スルロットのストライカー2枚をピッチに立たせた。その狙いは「堅守によって最低でも1点ビハインドのまま試合を終えて2ndレグへ。そしてJ・アルバレス含めて3枚いるストライカーにロングボールを通してあわよくばゴールを狙う」といったものだろう。

終盤、レアル・マドリードはそんなアトレティコ・マドリードコの狙いを読み取ったように、相手陣地から自陣にプレーエリアを変えて堅守速攻にシフトする。その後はアトレティコ・マドリードにチャンスはなく、レアル・マドリードが速攻中心にシュートを放っていったが決め切れず。結局、試合は2-1で終了のホイッスルを迎えた。勝利したレアル・マドリードはベスト8に近づき、アトレティコ・マドリードは欧州屈指の熱狂を誇るホームスタジアム、メトロポリターノで逆転を狙うことになる。

データサイト『Opta』やクラブ公式ウェブサイトによると、この試合はレアル・マドリードにとって、節目となる欧州CL通算500試合目に。500試合到達は史上初となり、2位のバイエルン・ミュンヘン(404試合)に100試合近くの差をつけている。歴代最多15度の優勝を果たすレアル・マドリードは、これまで最多の302勝(85分け113敗)、1103得点をマークしている。

レアル・マドリードスコアアトレティコ・マドリード
4分
ロドリゴ
1 – 0
1 – 132分
フリアン・アルバレス
55分
ブラヒム・ディアス
2 – 1

コメント

カルロ・アンチェロッティ監督

「アトレティコ・マドリードの守備を相手にするのは簡単ではない」と認めつつ、
「我々には小さなアドバンテージがある。メトロポリターノでの試合は厳しいものになるが、大きく変わることはない」

ビラヒム・ディアス

『Football ESPANA』によれば、ゴラッソを決めたモロッコ代表FWは、アトレティコ・マドリードのディエゴ・シメオネ監督に対して怒りを露わにし、「いま話せよ、いま話せよ、昨日言っただろ?」と挑発したという。 試合前日の会見で、マドリーのMFジュード・ベリンガムの出場停止について質問を受けた敵将が、「レアル・マドリードは、カマビンガとルカ・モドリッチでそのポジションを埋めようとするだろう。ブラヒムの可能性もあるが、私はそうは思わない」と発言した件が気に入らなかったようだ。

ロドリコ

「POTMを通算何度獲得したかはわからない。個人賞だけど、試合に注いだ努力すべてに報いるという意味で非常に重要な賞だね。自分のパフォーマンスとチームのパフォーマンスに満足しているよ。とても難しかったけど、なんとか勝つことができた」

「結果は非常に重要だ。ホームで勝たなければならないことは理解していたし、試合はとても難しかった。苦戦する場面もあったけど、最も重要なのは勝ったこと。次は第2戦のことを考えなければならないね」

自身のゴールに関しては「バルベルデとの連携はとても良いものだったね。彼は僕の動きをとてもよく理解してくれている。背後から攻撃し、自分がドリブルで中に入って左足でフィニッシュした。トレーニングではよくやっているけど、今日はうまくいったね」と、自画自賛。

試合内容についてはアウェイのアトレティコ・マドリードに予想以上にボールを持たれる苦しい展開となったものの、個人としてはカルロ・アンチェロッティ監督からサイドハーフに求められた守備面のタスクも十分にこなすことができたと手応えも口にした。「今日はちょっと意表を突かれたね。普段は僕らの攻撃ばかりで相手が守備をする形だけど、今日は相手の方がボールを多く持っていた。守備をしなければならなかったけど、ブラヒムのゴールまではうまく攻めた。今はこのリードを最大限に活用しないといけない」

「最初から、監督は僕らに多くの犠牲を払うよう求めていた。攻撃面での自分たちのクオリティはわかっているけど、守備ではもっと難しい仕事をしなければならない。ブラヒムと一緒に、両翼で守備面で多くの仕事をしなければならなかった」

ロドリゴは2ndレグが今回の試合以上に厳しいものになることを覚悟するが、普段通りの戦いを見せられれば、ベスト8進出の可能性は高いとみている。 「彼らのスタジアムでの試合はいつも厳しいけど、僕らのクオリティを考えれば、集中して適切なことをすれば勝ち進むことができる。アドバンテージを持つことは重要だけど、それが最小限であることも理解しているよ。だから、非常に集中する必要がある」

ディエゴ・シメオネ監督

「私たちはよく戦ったという気持ちで去る。失点に関してはもっと良くできたはずだが、セカンドレグでもこの調子を続けなければならない。厳しく難しい試合になるだろうが、私たちにはファンの応援がある。重要な試合になるだろうね」と12日に行われるセカンドレグでの逆転に意気込みを口にした。

「ホームでプレーするということはいつも励みになることで、私たちの仲間が後押しをして、エネルギーを与えてくれる。まずは日曜日(ラ・リーガ第27節のヘタフェ戦)に集中し、その時が来た水曜日には仲間が必要となるだろう」

また、シメオネ監督は「試合をコントロールしている時に有利にプレーすることがあまりできなかった。ヴィニシウス・ジュニオールとエンバペが後ろに下がったりしたことで、彼らは大きく成長した。なぜなら、それによって彼らは素早いカウンター攻撃を仕掛けることができていたからね」と反省点を挙げながら、すぐに一時同点に追いつけたことにはチームに賛辞を送った。 「この試合で一番良かったことは彼らの早い時間帯でのゴールに対する反応だった。チームは自分たちがやりたい試合に全力を尽くしていた。フリアンがゴールを決めたことで、私たちはうまくやっているという気持ちで前半を終えることができた」「終盤にムバッペとビニシウスに試合を決められるリスクがあったが、それがゴールにならなかったことで、次の試合への扉が開いた」

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