ラツィオvsアトレティコ・マドリード UEFAチャンピオンズリーグ グループE 第1節

2023-2024
写真:Getty Images

 9月19日(現地時間)に行われたUEFAチャンピオンズリーググループE第1節で、ラツィオとアトレティコ・マドリードが対戦した。試合は、ラツィオの本拠地のスタディオ・オリンピコで行われた。

スターティングメンバー

ラツィオ(4 – 3 – 3)

・GK
イヴァン・プロヴェデル

・DF
ルカ・ペッレグリーニ(38分:マヌエル・ラッザリ)
アレッシオ・ロマニョーリ
パトリック
アダム・マルシッチ

・MF
鎌田大地(62分:ゲンドゥージ)
マティアス・ベシーノ(76分:ダニーロ・カタルディ)
ルイス・アルベルト

・FW
マッティア・ザッカーニ(76分:ペドロ)
チーロ・インモービレ
フェリペ・アンデルソン(62分:グスタフ・イサクセン)

・監督
マウリツィオ・サッリ

アトレティコ・マドリード(5 – 3 – 2)

・GK
ヤン・オブラク

・DF
サムエウ・リーノ(79分:リケルメ)
ヴィツェル(75分:コレア)
ステファン・サヴィッチ
マリオ・エルモソ
ナウエル・モリーナ

・MF
マルコス・ジョレンテ
パブロ・バリオス(46分:ヒメネス)
サウール・ニゲス

・FW
アルバロ・モラタ
アントワーヌ・グリーズマン

・監督
ディエゴ・シメオネ

試合結果

 セリエAで現在15位のラツィオは4 – 3 – 3、ラ・リーガ7位のアトレティコは5 – 3 – 2の布陣で試合が開始。

 攻撃的な入りを見せたアトレティコに対して押される時間が続いたラツィオだったが、速いテンポのパスワークで徐々にリズムをつかみ、12分には鎌田が右足でグラウンダーのミドルシュート。しかし、これはヤン・オブラクにセーブされた。

 先にスコアを動かしたのは、アトレティコ・マドリードだった。29分、ナウエル・モリーナが高い位置でロングボールを受け、キープからマイナスにパスを出す。フリーのパブロ・バリオスが右足で低い弾道のミドルシュートを放つと、鎌田が出した左足に当たってコースが変わり、プロヴェデルの逆を突いて、ボールがゴールに吸い込まれた。

 不運な形で先制を許したラツィオは38分、負傷したルカ・ペッレグリーニに代え、マヌエル・ラッツァーリを緊急投入。そのまま0 – 1で折り返す。

 52分に左CKのクロスからボールをつなぎ、鎌田が左足でミドルシュートを放つ。相手にブロックされたこぼれ球をペナルティエリア右のインモービレが拾い、最後はパトリックが右足で狙うも、シュートは右外のサイドネットを直撃した。

 さらに56分、GKオブラクのパスをカットした流れからインモービレに決定機が訪れる。しかし、至近距離から右足で打ったシュートはオブラクに阻まれた。

 ラツィオは62分に鎌田とフェリペ・アンデルソンを下げ、ゲンドゥージとグスタフ・イサクセンをピッチへ。2枚替えで状況の好転を試みる。

 しかし、アトレティコは66分、FKからのこぼれ球を拾ったアルバロ・モラタのシュートが相手に当たって右ポストを叩くなど、追加点を目指して攻撃の手を緩めない。

 ホームでのCL初戦を落としたくないラツィオは反撃を試みるも、5バックのアトレティコ・マドリードを崩すことができず、アウェイチームの勝利で終わるかと思われた後半アディショナルタイムの95分、劇的な瞬間が訪れる。

 一度左コーナーキックが防がれた後、ルイス・アルベルトがゴール前に高精度のクロスを供給。これに頭で合わせたのは、攻撃参加していた守護神のプロヴェデル。劇的弾により、1 – 1の同点に。そして、そのまま試合終了。

ラツィオスコアアトレティコ・マドリード
0 – 129分
パブロ・バリオス
95分
プロヴェデル
1 – 1

 プロヴェデルが決めた衝撃弾によって救われたラツィオが土壇場で試合を振り出しに戻し、1-1で勝ち点1を拾った。一方、アトレティコ・マドリードにとっては痛恨の逃げ切り失敗となった。

 第2節はラツィオは敵地でセルティク、アトレティコは本拠地でフェイエノールトと対戦。

ゴールキーパー史上4人目

70年ぶり

 ラツィオのGKがゴールを決めるのは70年ぶり。1953年2月に元イタリア代表GKルチディオ・センティメンティがPKを決めて以来の快挙。プロヴェデルは、2022年8月にラツィオに加入。昨シーズンはセリエAで38試合に出場してクリーンシート21回。今夏マンチェスター・ユナイテッドに移籍したアンドレ・オナナなどを抑えてセリエAの最優秀ゴールキーパーに選ばれている。

CL史上4人目

 プロヴェデルは、今回決めた同点弾によりCLでゴールを決めた史上4人目のゴールキーパーとなった。

 前回、GKがネットを揺らしたのは13年前。2010年9月のリヨン戦で、当時ハポエル・テルアビブに所属していたナイジェリア代表GKヴィンセント・エニェアマのPK弾。同選手はPKキッカーを任されることがあり、CL予選でもゴールを決めている。

 その1年前には、スタンダール・リエージュに所属していたGKシナン・ボラトがAZ戦でネットを揺らした。グループステージ最終戦、0 – 1とリードされて迎えた試合終盤にFKを獲得すると、ボラトがクロスを頭で合わせて同点ゴール。敗れれば最下位で敗退するところだったが、シナン・ボラトの同点弾によりスタンダールは3位に浮上してヨーロッパリーグの決勝トーナメントに回ることになった。PKを除けば、これがキーパーによる初ゴール。

 3人目は、CLの歴史において最もゴールを決めているキーパーは元ドイツ代表GKハンス・イェルク・ブットである。レヴァークーゼンやバイエルンで活躍したブットは、PKキッカーとしても優秀で、キャリア通算528試合で33ゴールをマークしている。そのうち3ゴールがCLで決めている。ハンブルガーSV時代の2000年に初めてCLでPKを決めると、2年後にはレヴァークーゼンで再びPKからゴール。そして2009年にはバイエルンのキーパーとして欧州最高峰の舞台でPKを沈めた。ブットが決めたゴールは3本ともユヴェントスが相手。2000年にエトヴィン・ファン・デル・サールから、残り2本はジャンルイジ・ブッフォンからゴールを奪っている。

プロヴェデルのコメント

 イタリアのスポーツ専門誌”トゥット・スポルト”は、試合後のインタビューに応じたプロヴェデルのコメントを紹介。

 「今夜は本当に楽しんでいるよ。良いゴールだった?(笑) 僕はいつもインモービレを研究しているからね! まぁ冗談だよ」

 また、ゴール直後に無表情だったことについては「冷めていたかって? フットボールの世界では良いことも悪いことも素早くやってきて、素早く過ぎ去っていくのさ」

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